2011年4月24日日曜日

4月18日~24日「中国で儲ける」「老人駆除(後編)」

今週は英語の勉強が3時間でした。

【ひとこと】
今週末は妻が松山に帰っており、一人いろいろと考えていた。
日本の将来、自分の将来、家族の将来・・・

【今週の本】
「老人駆除」竹本善次著

5章 少子化は若者の反乱
2005年上半期、死亡数が出生数を始めて上回って、日本の人口が減少した。予想よりも2年も早く人口減少が訪れた。そこで、日本の人口の推移を振り返ってみよう。江戸時代は3000万人前後で安定していた。明治以降、日本の人口は急上昇をたどる。1872年で3480万人、1900年で4385万人、初の国勢調査の年1920年で5596万人、1950年は8320万人、1970年に初めて1億人を突破し、1372万人となった。2000年は12693万人。日本の人口は約140年間で約4倍になった。100年で約3倍になった。人口増加率は1920年から1935年までは年率1.4%程度と比較的高かった。しかし、戦中と終戦直後(19456)に異常な低下が起き、その反動としての急上昇(1947~49年のベビーブーマー)があった。日本社会が人口減少社会に突入することは、とっくの昔からわかっていた。2010年頃は10万人台の減少だが、徐々に減り方が増えて行く。2030年以降は毎年60万人から80万人ずつ減っていく。2050年の総人口は159万人。2100年の総人口は約6400万人。2000年のちょうど半分になる勘定だ。
では、少子化はどうして進んでいるのか。少子化には様々な要因がある。人口学的にもっとも大きい要因は、未婚率の上昇と言われている。とくに女性の
20代後半、男性の30代前半の上昇がすさまじい。25~29歳の女性の未婚率は1970年には18.1%だった。2000年には54%3倍に増えている。30代前半の男性では1970年は11.7%だったが、2000年には42.9%3.6倍になっている。しかし、なぜ未婚率は上昇しているのか。次の4つの要因が考えられる。
1は「結婚市場機能不完全化仮説」である。未婚の若者の4割から5割は交際相手がいない。
2は「独身貴族仮説」である。就職しても親元を離れない若者が多い。親に寄生して豊かな生活を享受している。結婚すると今以上の生活を送ることができると思えない。
3は「フェミニズム仮説」である。女性の社会進出と従来型の社会システムとの相克が少産化を招いている。女子絵の高学歴化、職場進出が進み、男女の賃金格差は縮小している。
4は「子ども消費財仮説」である。都市化、雇用労働者化、女性の社会進出、社会保障などの充実が進んだ社会では、子どもの持つそのような効用は弱くなる。サラリーマンは後継ぎを必要としない。年金や介護制度のおかげで、老後を子どもの世話になる必要はない。
子どもを持つ主因は子育ての喜びや家族のだんらんなど心理的、情緒的なものになる。るまり子どもは「消費財」に転化したのである。であるならば、1人のこどもに手間暇やカネをかけて育てた方が、楽しめる。もはや子どもはペットと一緒なのである。

6章 老人支配国家の終焉
亡国か再生か。21世紀初頭の日本はその岐路に立たされている。いまの老人は既存の社会経済システムのなかで富を蓄え、地位を築いてきた。いまのままの体制が一番いい。経済や社会の構造改革が進まないのは、既得権が脅かされる老人達が暗黙のうちに結託して、邪魔するからだ。民間でも一部上場といった大企業の経営陣は、ほとんど50代後半から60代で占めている。年功序列制度は、人間の能力は年数や経験とともに向上するという前提に立っている。40代、50代までは人脈や判断力などを含む総合的な能力は向上するとしても、60代、70代になると徐々に低下していくのは、いまさら言うまでもない。ところが、日本の社会や企業を支配しているのは、これら60代、70代の老人たちだ。なかにはボケ始めている高齢経営者もいるようだ。
自助と共助。これこそが21世紀の国家作りに必要な考え方だ。20世紀型福祉国家は、個人の国家への依存体質を生みだした。クライアントとしての国民である。国民は国家の「お客様」。国民は単に要求していればよい、という風潮が蔓延してきた。そのタカリの中心はジジババ世代だ。そして、団塊の世代もそれに続く。ジジババ世代は、自分たちは戦争に行ったから、それぐらいいいだろうと言う。団塊の世代も、この国の繁栄をつくったのは自分たちだから、当然の権利だとも言う。だが、年金世代はわかっていないのだ。彼らが構築したという日本の豊かさは実は現役世代の借金でつくったものだということを。そして、今や年金世代こそが日本を崩壊に導いていることを。

「中国で儲ける」田中 奈美著

第一章 マーケットを知る
北京を代表するスポットで「ナンルオグーシャン」というカフェ雑貨ストリートがある。ここが賑やかになり始めた初期のころ、平田佳寿雄氏は、雑貨店をオープンした。本業はコンサルティング会社社長だ。日本企業で働いた後、中国留学を経て、05年に北京で起業、外資系企業の設立支援のほか、旅行手配なども行っている。売れ筋を探すには、市場にないものを探してゆくのがよいのではないかと、平田氏は考える。「例えば、日本料理店は多いですが、天麩羅に特化した店はなさそうだなとか。そうやって、セグメントをどんどんせばめていって、中国にはまだないもので、中国の人に受けそうなものを探していくことじゃないでしょうか」
「中国人は好みが違うって、よく言うんですけど、それは勝手なイメージじゃないかという気もします」天津と北京でパン屋を経営する羽深剛志はシニカルにそう言った。隣で相棒の岡田信一が、うなずく。大学同級生の二人は、05年、26歳の時に、天津でパン屋をオープンした。きっかけは、天津に暮らす羽深の羽深氏の父親の知り合いから、「おいしいパン屋がないから、やったらどうか」と言われたことだったそうだ。実は、中国のパンは、概して劇的にまずい。それも単なる「おいしくない」というレベルではなく、「食べ物ではない」というレベルに達すこともある。こうして、知り合いのアドバイスに、「いいですね~」と軽く乗った二人だったが、パン屋の経験は全くなかった。羽深氏は大学を出たあと外食産業に、岡田氏はアパレル会社に就職していた。その後、羽深氏が先に中国に渡り、起業準備をしている間、岡田氏は日本で、パン屋の修行を始めた。岡田氏は2年半の修業後、04年夏に中国に渡った。さらに語学を学び、日常会話ができるようになった後、羽深氏とともに、天津でパン屋をオープンした。現在、二人は天津と北京で三店舗を構える。
中国は、小さな「外国」が無数に集合し、一つの大国を形作っているようだ。地方によって、言葉も違えば、食べ物も変われば、マーケットも変わる。都市別の進出の多い業種について、北京はITなどの文化・情報産業、上海は小売・卸売などの流通・サービス業、広州など南方は製造業が主流になると大別する。
北京のビジネスエリアにある高級四川料理店「蘭」のトイレに入ると、踊れるほど広かった。便器と並んで、猫足のソファまで置かれている。「蘭」は、四川料理を西洋風にアレンジし、大ヒットさせた「チャオジャンナン」の中国人女性オーナーが、06年にエグゼクティブレストラン&バーとして開いた店だ。オープンからしばらくしてでかけていくと、客の半分以上を中国人が占めていた。メニューを眺めながら、「高いなあ」と財布のひもをしめる日本人駐在員たちの隣で、20代後半ほどの若いカップルが、一皿数百元の料理を注文していた。「こういう店は、以前なら外人ばかりだったのに、変わったもんだよ」と駐在員の一人がつぶやいた。中国で日本の実用書の中国版を販売する日販の氏家淳史氏は、一番の売れ筋は、洋酒やコーヒーなど嗜好品のカタログ本だという。「特にワインの本は売れます」中国は今、ワインブームの真っ只中にある。ワインに見られるように、この数年、中国の生活スタイルや嗜好の変化が激しい。

第二章 会社を興す
日本の「よいもの」をいくら持ちこんでも、自分自身がこの国を知らなければなかなか結果に結びつきにくい。ブライダル会社の佐藤氏の最初の中国進出は、実は踏んだり蹴ったりだった。こだわり尽くしたブライダル会社は全く儲からず、中国人パートナーに資金を持ち逃げされる形で、会社を閉じることになった。用意した自己資金は、わずか半年で、中国ビジネスのブラックホールに消えた。「自分は経営者で、ビジネスをやりに来ているという思いがあったんです。だから言葉だって、通訳を付ければ、コミュニケーションがとれるし、指示も出せると考えていました。それより、いいものをつくることや、それをスタッフに伝えることが一番だと思っていた。でも、そうじゃなかった。例えば、中国のクライアントは、誰を見ているかというと、社長を見ている。彼らはトップと直接話しをする。特に富裕層はそう。会話ができないと、いくら素晴らしい結婚式をプロデュースしても、お客様との距離は縮まらない」
中国ビジネスの成否は、信頼できる中国人パートナーが持てるかどうかが鍵となるとよく言われる。同時に、中国人パートナーにだまされ、会社をのっとられたという話も多い。外国人が中国で会社を興す場合、その形態はおおむね、外国人資本だけで行う外資、中国のパートナー企業と資本を出し合う合弁、資金は出すものの登記上の名義はパートナーである中国人として、表向きは外国人の名前が一切出てこない内資の三種類がある。これらにはそれぞれメリット、デメリットがある。100%外資の場合は、自分の判断で何でも決定できる為、経営リスクは極端に低い。一方、合弁の場合は、なんだかんだと口をはさまれ、自由度がなくなるリスクも高いが、パートナーがすでに持っている販路を活用できるなどのメリットがある。合弁会社は基本的には外資側が資本金の25%以上を出すことになる。資本金の25%以上が外国資本の場合は、外資とみなされるため、合弁企業も100%外資と同じように規制を受ける。かつて、外資が規制されていた飲食店では、中国人パートナーの名義を借り、内資で登記することが多かった。このため、この「のっとり」がおきやすく、最もよく聞く「のっとり」パターンの一つとなっている。事業を軌道に乗せている日本人に話を聞くと、いずれも中国人の奥さん、留学時代から知っている中国人、あるいはもといた会社の中国人社員でその後独立した人物など、良好な関係のあるパートナーを持っていることが多い。中国在住歴が長い日本人と話しをしていると、「自己責任」という話になることがある。信用するもしないも自分次第。もし信用するのであれば、気持ちよく相手を信頼するが、同時に強力はしっかりとしめ、決してあけっぴろげな任せ方はしない。そして万一、裏切られるようなことがあったとしても、それは人を見る目がなかった自分の責任だと考える。
ところで、中国では会社をつくるのに、いくら必要か。明確な基準はない。あくまでも投資計画書の内容に整合性があるかどうか。

2011年4月17日日曜日

4月11日~17日「タックスヘイブン」

今週は英語の勉強を1時間しました。

【ひとこと】
私ごとですが、先日結婚しました。
公私ともに頑張っていきたいと思います。

【今週の本】
「タックスヘイブン」クリスチアン・シャヴァニュー&ロナン・パラン著

第1章       グローバル経済におけるタックスヘイブン
経済協力開発機構(OECD)の指標によると、タックスヘイブンとは、資本収支に対して税金を課さないか、ほとんど課さない権限をもち、加えて次の特徴のうちの一つをそなえている場所である。
    透明性が欠如している。
    外国の政府に対して情報を提供することを拒否する。
    架空の企業をつくれる可能性をもっている。
われわれとしては、現在およそ80か所あるとされているタックスヘイブンの国と地域に見合った10の指標を掲げておきたい。
    非居住者に対してだけ、わずかな課税か、無税
    銀行の秘密保持が強化されている
    職業上の守秘義務の範囲が広い
    登記手続きがいい加減ですむ
    国際資本の移動が、全面的に自由にできる
    執行が敏速である
企業の進出が驚くほどの速さで実現できる。いくつかの地域では、24時間以内で会社が買収され、活動を開始することができる。
    大金融センターの支柱になる
    経済的・政治的に安定している
    ブランドイメージが良好である
タックスヘイブンとなっている地域は、その名前がマネーロンダリングと結びつきすぎてはならない。
    双方向的な合意網をもっている
タックスヘイブンは、一般に諸大国と協定を結んでいて、企業の子会社に二重課税しないように配慮している。

第2章       タックスヘイブンの歴史
現在、オフショアの体現している架空の特徴は、何十年もかかってつくりだされてきたものである。その起源には、三つの重要な時期と場所がある。まず、19世紀のアメリカ、1920年代のイギリス、1930年代のスイスである。つまり、現代のタックスヘイブンは、当初、異なった場所や時代において、それぞれ特殊な要請に応答するために、別々の仕方で発達したいくつかの戦略が混交していできた産物なのである。
企業の登記の義務化と、それにともなう会社への課税は、186年にアメリカではじまった。

第3章       タックスヘイブンでは誰が何をやっているか?
いまや、SPC,SPVなどと命名された、投資所得を媒介する金融会社が数限りなく存在し、タックスヘイブンのさまざまな利用者がそこから利益を引きだしている。
    インターナショナル・ビジネス・コーポレーション(IBC)
    オフショア・ファウンデーション
ファウンデーション(財団)には、所有者または株主といったものは存在しない。しかも、多くの先進国と異なり投資活動が認められており、以上に自由な経済活動基盤を得ることができる。そして、もちろん課税されない。
    オフショア・トラスト
トラストというのは、自分の財産を他人の名義として預かってもらい、管理してもらう仕組みである。これは脱税するために好んで使われる方法で、また債権者や別れた妻の目から財産を隠すのに使われたりもする。
    アンスタルト
これはファウンデーションとトラストを合わせたようなもので、リヒテンシュタイン独自のものである。
富裕な者にとって、タックスヘイブンのメリットは歴然としている。すなわち、タックスヘイブンは彼らの収入や投資に対する課税を削減してくれるのである。しかし、それだけではない。タックスヘイブンはまた、相続税や扶養手当を免れることを可能にしてくれるのである。ある国において税金を払うことを回避するもっとも簡単な手段は、税金について寛大な別の国の居住者になることである。
税金を払わないですますための第二の方法は、会社をタックスヘイブンに登記することである。高収入の人々は、タックスヘイブンに会社を設立して、そこに給料を振り込ませる。
第三の方法は、少しばかり複雑だが、もっともよく利用されていて、異なった法的管轄外に異なった会社を設立して、収入を増やすというものである。“不透明性”や“秘密”というタックスヘイブンの特徴がもっとも有効に活用されるのは、これである。
個人資産、特に近年「high net worth individuals」、略して「HNWIs」と呼ばれる富裕層の資産管理が、銀行家がプライベートバンクと命名した世界的金融産業の対象となっているが、この産業は7兆ユーロ規模のお金を管理している。この市場の世界一のセンターはスイスで、およそ30%のシェアを占めている。シンガポールがスイスに次ぐ位置にある。
【参考】各タックスヘイブンにある企業数
①イギリス領ヴァージン諸島・・・619916
②香港・・・547455
③パナマ・・・369652

第4章       タックスヘイブンへの対抗策
タックスヘイブンを法律的に世界地図から抹消するのは、形式的には簡単なことである。つまり、大きな金融市場をもつ国家(アメリカ、イギリス、日本など)が、その国内法のなかに、タックス・ヘイブンの地域に関わるいっさいの商取引は違法である、と書き込めば「十分」なのだ。

【ひとこと】
タックスヘイブンは世界経済になくてはならない存在だ。