2010年12月26日日曜日

12月20日~26日「クーリエ・ジャポン2011年2月号~5つの“不均衡”を是正すれば2011年に幸福の時代が始まる~」「この国を出よ(後編)」

今週は英語の勉強を5時間しました。

【ひとこと】
いよいよTOEICのテストが1ヶ月後に迫ってきました。約5年ぶりなので、緊張します!

【今週の本】
「クーリエ・ジャポン20112月号~5つの“不均衡”を是正すれば2011年に幸福の時代が始まる~」

実際、世界には不安が蔓延し、幸せが足りていない。その真の問題は、モノがないことにあるのではない。世界はかつてないほどの豊かさを経験している。ブータン首相の言葉を借りれば、幸せは「持続可能な環境のなかで、物質的な快適さと精神的な成熟とが賢い均衡」を保っている状態から生まれるものなのだ。いま、不均衡が最も強いのが米国だ。経済的な問題が現実に存在しているにもかかわらず、米国は依然として生産的で活力に満ちている。マンハッタンにあるアップルの店舗には昼夜を問わず長い列ができている。モノは溢れているが、米国人に幸福感はほとんどない。もちろん、米国だけではない。世界中にバブルと不均衡が生じている。中国は神業的な経済発展を追求する過程で空気と水を汚染し、ブラジルとインドネシアは世界に残存する熱帯雨林の大規模破壊を容認してきた。いまこそ、新しい「賢明な均衡」を目標にすべきだ。成功のカギは「何が欲しいのか」と「何が必要なのか」をしっかりと考えて、私たちひとりひとりの活力のバランスを立て直すことにある。
最初に是正すべきものは「貧富の差」だ。貧困層と富裕層とのあいだに存在する「文化の不均衡」を正す必要がある。貧富を問わず、適正な健康、質の高い教育、社会への全面的参加の道が、すべての子どもに開かれていなければならない。
2番目は「現在と未来の不均衡」だ。私たちはいま、金融市場の残骸をふるいにかけているところだが、絶対に未来への釣銭をごまかしてはならない。
3番目は「生産活動と自然の不均衡」だ。私たちはGNPを計算するとき、伐採材木、絶滅危惧種の過剰捕獲を当たり前のように国民所得に組み入れている。だが、それは自然資本の搾取だ。いま、私たち自身の破壊力についての認識を改め、手遅れになる前に引き返すべきだ。
4番目は「仕事と余暇」だ。技術が開花したいま、私たちは過度に“ハイ”になっている。米国をはじめとするハイパー消費主義経済のなかにいる人たちはのぼせすぎている。少し頭を冷やし、労働時間を短縮すれば、より多くの人が仕事を得て、長い目で見ると健康で幸せな暮らしができるようになるかもしれない。
5番目は「国家安全保障の概念に対する視点」だ。米国の軍事費は年間約7500億ドル(64兆円)だが、最貧諸国の災害や飢饉に対する援助額はわずか150億ドル。
貧困、環境、安全保障といった問題はどれも、私たちの技術と知性をもってすれば解決できないものではない。しかし、私たちの問題はそれではない。究極の幸せの源を取り違えていることが真の問題なのだ。もし、私たちが、自分たちが持っているツールの力と、人生のより深い喜びへの飽くなき思いをしっかりと見つめることができれば、2011年は幸福の時代の始まりになりうる。

【ひとこと】
幸せかどうかは人の物差しで測るものではない。自分がどうありたいか、どうなれているかで判断するべきであると思います。このことが分かっている人は幸せ、つまり豊かな心を持てていると思います。

「この国を出よ」大前研一×柳井正著


5<企業の「稼ぐ力」>21世紀のビジネスに「ホーム」も「アウェー」もない
グローバル化は最大のビジネスチャンスだ-柳井
日本にこだわり過ぎると、世界にあるビジネスチャンスを逃しかねないと考えています。お隣の中国を見れば一目瞭然です。中国の経済成長の中心となっているのが、2000年代に入って誕生した中間層と呼ばれる社会階層です。そのボリュームは2010年には総人口の23%、約3億人となっています。今後の成長を勘案すれば、中国には日本が3つも4つもあるような巨大市場が広がっているのです。

世界に通用する「最大公約数」ビジネスモデル-大前
最大公約数のファッションとは、国や民族ごとに見極めなければならないアウターではなく、どの国、どの民族にも共通するインナーや定番アイテムのことです。いつでもどこでも誰にでも着てもらえる、共通項の多い商品、それが最大公約数としての商品ということになります。商品数が必然的に絞られる上、コストパフォーマンスに優れていれば、どの国、どの民族の市場でも成功する確率が高いわけです。

ユニクロも“追い込まれた末”に飛び出した-柳井

GEやサムスンは人材育成に1000億円かける-大前
日本の多くの企業は、リーダーシップ教育の必要性を説き、企業研修に取り入れています。しかし、自社で教育プラグラムを組むところはほとんどなく、外部に丸投げする企業が多く見受けられます。GEは徹底したリーダーシップ教育を実践しています。まず、10万人規模の社員の中から、リーダー候補とされる人材を約1000人選びます。そして、1956年にGEが開設した世界初の本格的な企業内ビジネススクール、クロントンビルでリーダーシップ教育を行います。続いて、サムスンの例です。金額もさることながら、その内容に驚かされます。まず、アジアや中東、ロシアやブラジルなどに、「とりあえず現地で暮らしなさい」と若手社員を送り込みます。派遣されるのは毎年数百人、期間は1年間です。その間、若手社員は何をするかというと、給料は支払われますが実質的な仕事はせず、現地で人脈づくりや語学力の向上、歴史・文化・風習の勉強に励みます。人材育成に1000億円、すなわち1%を投じるグローバル企業と、売上高の0.1%で十分と考えている日本企業と-しかも景気が悪くなるとまずここを削る-この違いは、そのまま世界市場における日本企業の低迷に繋がっているように思えます。

「次世代リーダーは外国人」の可能性もある-柳井

「優秀な外国人」が競争相手になる時代-大前
これからはアジアやアフリカの人材に、もっと目を向けなければなりません。興味深い事例を紹介したいと思います。それは大塚製薬が2007年に設立し、私自身も理事を務めている財団法人「大塚敏美育英奨学財団」です。この財団は、アジア・アラブ・アフリカ地域の国籍を持つ留学生に対し、年間100万~150万円の奨学金を給付しています。人数は、年間で50人くらいです。彼らの中には本当に惚れ惚れするぐらい優秀な人材が多い。中国人留学生の多くは中国語と日本語と英語を流暢に話す「トリリンガル」です。今後はこうした優秀な人が日本企業に就職するでしょう。

ビジネスマンの「民族大移動」が始まった-柳井
我が社では今後、店長以上の役職にある社員は、国籍に関係なく中国、韓国、シンガポール、イギリス、アメリカ、フランス、ロシアといった世界中の店舗に赴任してもらうつもりです。「言葉に自信がないから無理です」とは言わせません。20123月から社内会議や文書で使う言葉を英語に統一する「英語の社内公用語化」の方針も、この一環です。僕は、国際社会において日本が弱いのは、島国という地理上、異文化を融合しなかった点にあると考えています。その結果、海外にビジネス展開しても、現地の人間と価値観や考え方の違いに柔軟に対応できずに失敗してしまうのです。

未熟な英語がグローバル化を阻んでいる-大前
うまい英語とは、流暢に話せることではありません。世界の共通語は英語ではなく、文法もイントネーションも不正確な「ブロークン・イングリッシュ」なのです。ビジネスの世界でも一番大切なのは、相手にどんなことを伝えたいのか、どんな結果を残したいのかを考えることです。

進出した地域で貢献してこそグローバル企業-柳井

6<国家の稼ぐ力>日本再生のための“経営改革案”を提示する
所得税・法人税ゼロで海外からの投資を呼び込め-大前

「費用対効果」も考えない政府は、もっと小さく!-柳井
企業や産業は、時代に合わなくなったら、死滅するものです。時代の変化に合わせて変革できない企業や産業は、いくら政府が保護政策を取っても、しばらく延命するだけで、再び元気になることは考えられません。官僚に「費用対効果」という基本的な意識が欠落している以上、政府・行政はできるだけ小さくして、国の業務は外交や安全保障など国民の安全を守ることに限定し、ほかのことは都道府県などに権限移譲するべき時が来ています。

「政治家育成」「一院制」「官僚リストラ」の三大改革-大前
政治家と官僚を本当に「日本のため」に仕事をする存在に変えるには、三つの大手術が必要だと思っています。一つ目は、政治家の人材育成です。二つ目は、参議院を撤廃して「一院制」にすることです。国会議員の年収はざっと3000万円ほどです。公設秘書3人分の給与も国が負担しているので、約2000万円が加算されます。このほか、様々な費用が支給され、だいたい議員1人当たり年間6000万円かかる勘定です。されに、議員会館や議員宿舎も当然コストです。これらを全て合計すると年間7000万円費用がかかっています。参議院はこれらの人たちが現在242人いて、年間約170億円かかっているわけで、費用対効果を吟味する必要があります。三つ目は、官僚のリストラです。

「何も決められない」政治家が官僚をダメにする-柳井

教育の世界にも「三つのC」の考え方を導入せよ-大前
戦後、日本が工業化社会で高度成長するためには、従順で均質な学力レベルを持った人材を大量生産する教育が必要でした。しかし、もうそれは時代遅れになっています。これからの教育に「三つのC」の観点を導入することを提案します。最初に「C」。教育にとっての「顧客」は、将来採用してくれる企業です。教育の本質を「どの企業も欲しがるような人材」を育成する方向へと転換します。次の「C」は競争相手。今後は国内ではなく、中国やインドなど海外の人が相手となります。国際競争でメシ食べていくために必要になるのが、「英語力」「IT」「ファイナンシャル」の“三種の神器です”。最後の「C」は会社です。教育では「自分」に置き換えます。要するに、今の自分が置かれた状況や存在する問題を把握して、方針や解決策を探る力を鍛えることです。

エピローグ
日本を出よ!そして日本へ戻れ-大前
今の日本に求められるのは明治以来「4回目の海外雄飛」です。幕末以来、何度も海外に打って出て世界の人々を驚かせてきた日本人に、同じことができないはずがありません。「裸にした日本人」「開き直った日本人」となって世界という広大なジャングルで自活し、生き残っていけるだけのコミュニケーション能力や技術力、経営力を身につけるのです。熱きビジョンと不屈のスピリットを胸に、日本を出よ!ジャングルで生き延びる知恵を身につければ、あなたたちの前途には洋々たる未来が広がっているのですから。

【ひとこと】
やはりこれからは、ますますビジネスがグローバル化しますね。それに伴い、英語はマストになりそうですね。

【お知らせ】
今回のブログに対して、参考になるコメントを寄せてくださった方、1名様を本場スペインのフラメンコを見ながら、地中海料理がいただける新宿エル・フラメンコにご招待させていただきます。

2010年12月19日日曜日

12月13日~19日「KAGEROU」「この国を出よ(中編)」

今週は英語の勉強が2時間でした。

【ひとこと】
・・・

【今週の本】
KAGEROU」斎藤智裕著

主人公の中年男ヤスオは会社をリストラされ、借金で首が回らなくなったので自殺しようとする。ビルの屋上から飛び降りようとしたところ、黒いハットをかぶった黒服の謎の若い男キョウヤタカシに寸前で阻止される。男は臓器提供グループの一員で、対価として数千万円という高額な報酬を田舎の両親に送ることを条件に、ヤスオは男と死後の臓器提供の契約を結ぶ。ヤスオは詳細な診断を受け、肉体の全てについて綿密に査定される。両親向けにダミーの死体を作り、自らの死を偽装する過程でひとりの美少女アカネと出会う。アカネは生まれつき心臓が悪く、やっと提供者が見つかったので数日後に心臓の移植手術を受ける予定だという。自分の心臓がこの少女に使われるのなら良いかなとヤスオは考える。手術台の上で主人公は目覚める。本来目覚めるはずではなかったが、麻酔の手違いがあったのだと説明を受ける。上半身を起こすためのベッドのハンドルを人工心臓にはめ込んでみるとぴったりとはまって手回し式の携帯人工心臓となり、ベッドから起き上がって動けるようになった。移植手術は成功し、アカネはもうすぐ退院できる。いなくなった自分を探す関係者を避けてヤスオとアカネは病院内の隠れ家に逃げこむ。アカネに心臓のハンドルを回してもらいながら、ヤスオはアカネの膝の上で少し眠る。血液型を確認すると、アカネの心臓が自分から抜き出されたものであることは間違いなかった。契約を履行するためヤスオは手術台に戻る。ヤスオの体はバラバラにされ、各受給者に臓器が振り分けられる。その時、ヤスオを連れてきた黒服の男が突然倒れる。男の脳の血管が破裂し、その機能を止める。男は目覚める。鏡を見て「嘘だろ……」とつぶやく。アカネの元へお見舞いに行く。ヤスオだけが知っているアカネとの会話の内容を男は知っている。男はアカネの心臓に耳を当て、その音を聞く。

【ひとこと】
愛する者、守りたい者があって初めて人は生きようとするのではないか・・・当たり前のようだけど、改めて実感した。

「この国を出よ」大前研一×柳井正

3<企業と個人の“失敗”>変化を嫌う若者だらけの国を「日本病」と呼ぶ
仕事への志も貪欲さも失った日本人の末路-柳井
松下幸之助さんや盛田昭夫さんといった偉大な経営者は、どれだけ会社が成長しても、貪欲に勉強する姿勢を持ち続けていました。ただ、ここ10数年、もてはやされているベンチャー企業を見ていると、残念ながら、「変化し続けようという姿勢」を感じる会社がほとんどありません。彼らの中にはビジネスをマネーゲームだと捉えている人が少なくないように感じるのです。だから、IPOで数十億円の資産を手にしたり、売上高が数百億円レベルになると、それだけですっかり大企業の経営者になったと錯覚してしまう。

なぜ日本人は成長する国や企業に学ばないのか-大前
国でも企業でも、成長戦略を描く時は、伸びているところを参考にするのが基本中の基本です。にもかかわらず、日本人は海外の優れたものに目を向けようとしません。例えば、台湾やシンガポールの「強さ」を真に理解している日本人はそう多くはありません。私は、若い人たちだけでも、こうした世界の優れた国や企業の取り組みに着目してほしいと思って長年、訴え続けています。ところが最近の若者は、以前に比べてますます積極性を失っています。その背景には、教育の問題があると思います。日本では、高度成長期以来、「大量生産」に適応する人材を育てています。自分で「考える」という力がないのです。そんな知識偏重の日本とは正反対の教育を実施しているのが、北欧諸国です。「考えること」に重点を置き、問題をクラスでディスカッションして結論を導き出す「ロハス教育」を行っています。

「サラリーマン根性」の蔓延とともに日本経済は衰退した-柳井
僕は「サラリーマン」と「ビジネスマン」は違うと考えています。ビジネスマンは自ら考えて行動しますが、サラリーマンは上司から指示された仕事をこなすだけ。本来、仕事とは顧客のために汗を流すものです。サラリーマンは、そうした本当の意味での仕事をしていないにもかかわらず、毎月給料が振り込まれるので生活は安定しています。そのせいで「この豊かな社会はいつまでも続く」と錯覚し、とにかく安定を願い、受け身で指示を待つ「サラリーマン根性」が国の隅々まで棲みついてしまったのです。

4<ビジネスマンの「稼ぐ力」>「理想の仕事」探しより「自分で食える」人間になれ
「基本」を学ばない“丸腰”社員が多すぎる-大前
ビジネスマン一人ひとりの問題解決力が問われているわけですが、多くの人が、目の前にある問題の本質を捉え、それをどう解決していくのか-その基本となる勉強をしていません。もちろん、本を読んでいないわけではない。でもそれは小手先のビジネス本やハウツー本ばかり。これでは、本に書いてあることは実践できても、本に書いていない問題に直面したら、なす術がありません。一歩踏み出せば、ベーシックで強力なビジネスの「武器」を手に入れられるのに、なぜそれを持とうとしないのか-。まるで素手で世界を戦おうとしているような日本の“丸腰”ビジネスマンは、見ていて怖く感じるほどです。

世の中に「まったく新しいこと」などない-柳井
何十年も前に書かれた本なのに、「これは、まるで我が社の現状のことを言っているのではないか」と驚かされたことがたくさんあります。まさに“温故知新”という孔子の言葉を身をもって実感するのです。先の見えない時代、道なき道を行かなければならない時代だからこそ、ドラッカーの哲学を知ることで、進むべき方向が見えてくるのではないかと思います。

今、ドラッカーから何を学ぶべきか-大前

フリースもヒートテックも「顧客の創造」だった-柳井
ドラッカーの哲学の中でも、私が最も影響を受けたのは、「顧客の創造」というキーワードです。彼は、これこそが「企業の目的」であると説いています。みなさんは成果に対する評価を上司だけに求めてはいないでしょうか?もちろん上司の評価は必要ですが、どんなビジネスであっても、最終的な評価を下すのは顧客です。要するに「企業側が何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を求めているか」を追及するのがビジネスです。

最も求められるのは「問題の本質を探る力」-大前
マニュアルに頼る傾向がある若者の問題は今に始まったことではありませんが、近頃ますます進んでいるビジネスマンのマニュアル志向は、やはり深刻だと思います。これは、本来持ち合わせている日本人の高い能力が、どんどん失われているということです。しかし逆に言うと、若くても、経験がなくても、問題を解決しているためのプロセスを学び、自ら考えて実行していけば、誰でもある程度の結果は出せるようになります。そうした力は先天的なものではなく、訓練すれば身につけられるものだからです。

世界が相手なら、チャンスは50倍広がる-柳井
僕はいつも社員たちに対して、「未来は現在よりも必ず明るくなると信じて、必死になれ」とハッパをかけています。そもそも、ここまで世界がグローバル化しているのに、日本に閉じこもって将来を悲観してばかりいる必要はありません。むしろチャンスは世界に広がっていると言えます。

目標なき日本人の「ロールモデル」は海外にある-大前

【ひとこと】
この本を読むとやる気が出る!というか、頑張っているものが報われる社会であるとつくづく思う。