2011年2月20日日曜日

2月14日~20日「東洋経済2011年2月12日~悪い金利上昇リスクと日本破綻のシナリオ~」「不都合な真実(前編)」

今週は7時間英語の勉強をしました。

【今週の本】
「東洋経済2011212日~悪い金利上昇リスクと日本破綻のシナリオ~」

S&P127日、日本の格付けをAAからAAマイナスに引き下げた。一方、同じAA評価でも見直し対象となっていたスペインのソブリン格付けは結局AAで据え置かれた。信用不安で高利回りとなっているスペインより低い格付けとなっても、日本の長期金利は、一時わずか低下したのみで、その後はむしろ低下している。国債の95%を保有する日本の機関投資家にとって格付けは、まだ重要な材料でないのが実情だ。長期金利は米国の長期金利上昇に引きずられて昨年秋以降は反転上昇しているが、それまでは下落局面が長く続いてきた。むしろ、若干の金利上昇(債券価格)は絶好の買い場と見なされている。長期金利を低下させている要因はもう一つある。生命保険各社が国際的な会計、資本規制への移行を迫られる中、金利リスクを抑えようと負債の残存期間に資産の残存期間をマッチさせるために、20年以上の超長期債を積極的に買っているのだ。経常黒字が続くかぎり、家計部門の貯蓄率が低下しても、他の部門の貯蓄に振り替わっているにすぎない。日本が経常赤字に転落する時期がいつなのかは、エコノミストによって味方が分かれる。しかし、その兆しが見えた時には、財政危機への懸念は一気に高まる。今、最もリスクとしてい実現可能性が高いのはS&P同様、市場参加者の多くが、政府は税や社会保障の改革を実現できないと考えることだ。それにより、悪い金利上昇が起これば、信任は崩壊し、それがさらに金利を上昇させる悪循環となる。安定性を欠いた政治状況の中で、不気味なシナリオが実現する確率は一段と高まっている。

「不都合な真実」アル・ゴア著

第1章       変わりゆく地球

第2章       無言の警告
かつてマーク・トウェインは、「災いを引き起こすのは、自分の知らないことではない。知らないのに知っていると思い込んでいることである」と言いました。この言葉は温暖化に関しても、ズバリ真実を言い当てています。地球の大気はとても薄いので、私たち人間はその組成を大きく変えることができてしまいます。温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素など、大気中にあって熱を吸収する期待のことです。このような気体があるおかげで、地球の平均温度は、15℃ぐらいに保たれています。もしこれがなければ、地表の平均気温はマイナス18℃くらいに下がってしまいます。私たちが今直面している問題は、人間が排出する膨大な量の二酸化炭素などの温室効果ガスが、大気中に増えていることです。そのため、本来ならば大気を抜けて宇宙へ出て行くはずの赤外線放射の多くが、吸収されてしまします。その結果、地球の大気や海洋の温度が、危険なほど上昇しつつあるのです。

第3章       冷たい確かな証拠
温暖化の結果、私たちのまわりの世界で、明らかに聴こうが非常に大きく変化しています。キリマンジャロの雪は10年もしないうちに消えてしまうだろうと予測されています。アルプスでも氷河が消えつつあります。チベット高原にあるヒマラヤ氷河は、温暖化の影響を最も受けている氷河の1つです。ヒマラヤにはアルプスの100倍以上の氷があります。アジアには、この平原を水源とする7つの河川系があって、世界の人口の40%が飲み水の半分以上をここから得ています。今後50年のうちに、26億人もの人々が、深刻な飲み水不足に直面することになってしまうかもしれません。「温暖化に対処しなければ、さらに頻繁に起こるようになるだろう」と科学者が予測しているような熱波が、すでに起こり始めています。2003年の夏、ヨーロッパを大規模な熱波が襲い、35000人の命を奪いました。2005年の夏、米国西部の多くの都市で、史上最高の気温を記録しました。

第4章       ハリケーン警戒
「海水面近くの水温が上がると、より多くの対流エネルギーが生まれる。そのために、より大型のハリケーンが頻繁に発生する」と言われています。今では、これまでハリケーンが出現したことのなかった地域にも、ハリケーンがやってくるようになりました。2004年は日本にとっても記録的な嵐の年となりました。台風が猛威をふるい、風速80メートル/秒にも達したのです。それまで、日本に1年間に上陸した台風の数は最多で6でしたが、2004年には10もの台風が日本に上陸しました。

第5章       極端な大雨、極端な少雨
20057月、インドのムンバイで、24時間に940ミリメートルもの雨が降りました。インドでの1日の降水量としてはそれまでの記録を大幅に上回る大雨です。水位は2メートルにも達し、西部インドでは1000人もの死者が出ました。地球が温暖化すると、雨が降る場所が変わってきます。そうすると、場所によっては、ふつうではあり得ないほど雨が降らなくなってします。2005年、中国では、ある省が大雨で水浸しになっているそのきに、隣の省では日照り続き、という状況でした。

第6章       地球の果て:北極
地球上には、温暖化に特に敏感な地が2つあります。北極と南極です。北極は1年中ずっと凍っているはずの地です。しかし、その氷冠が急速に溶けつつあります。それは、1つにはもともととても薄い氷だからで、もう1つは、その氷が水に浮かんでいるからです。溶ければ溶けるほど、溶ける速度が加速していきます。北極圏の北方の陸地は、1年のほとんどの間は凍っています。しかし、温暖化によって広大な永久凍土が溶け始めています。そのため、写真にあるように、建物が崩れ落ち始めています。永久凍土の上に建ててあったのですが、その永久凍土が溶け、構造を支えられなくなってきたためです。



 

2011年2月13日日曜日

2月7日~13日「灼熱アジア第1回タイ“脱日入亜”日本企業の試練」「灼熱アジア第2回中東砂漠の富争奪戦」

今週は11時間、英語の勉強をしました。

「灼熱アジア第1回タイ“脱日入亜”日本企業の試練」

タイが世界の製造業の中心になりつつある タイ2010年のGDPは予想の5%→7%へ
バンコク 32億人の巨大アジア市場の生産基地 2010年自動車生産は前年比85%増
2009年技能五輪世界大会優勝者 タイの若者
日本でのモノづくりは終わりに近づいている タイ 輸出額は2010年過去最高
躍進の理由はFTA 関税撤廃で価格競争力を手に入れた
ASEAN 32億人の巨大な市場を取り込める 2018年までに中・印・日もFTA参加
アジアの製造業がFTAの恩恵を見込んでタイへ 
アマタ工業団地 タイ最大の工業団地 世界25カ国から680社が進出17万人勤務
※日本の海外進出での流出(2008) 生産額35兆円 雇用96万人
日本のモノづくりの街 大田区の企業7社が進出 オオタテクノパーク
タイの自動車部品メーカータイサミットが日本の金型メーカーオギハラを300億円で買収
技術者8人がタイへ 自社開発で10年~15年かかる 中・印の競争に負ける
買収が手っ取り早い タイサミット 42年前にバイク修理店として創業 現在2代目
タナトーン副社長が会社をしきる 
97年のアジア通貨危機がタイの製造業を変えた
今まで日本から部品を調達していた日本企業はタイバーツの暴落により、タイで部品を調達せざるを得なくなった タイの部品メーカーは恩恵を 技術が舞い込んだ
2010年 日本企業61社がタイへ進出
現在、日本企業向けのレンタル工場が大人気
新潟の精密工作機械メーカー社長“座して死を待つよりも、しがみついてでも生き残りたい”

「灼熱アジア第2回中東砂漠の富争奪戦」

今、中東諸国で石油からグリーンエネルギーへの動きが加速
UAEアブダビ 金融危機時にドバイを助けた 国家ファンドのアブダビ投資庁の運用資産は90兆円 シティを救済したことで一躍世界にその名が知れた 
アブダビはUAEの石油の9割を産出 毎年10兆円のオイルマネーが舞い込む
方針転換 脱石油 グリーンエネルギーへの巨額投資
マスダールシティ 10万人規模のCO2排出ゼロの街 総事業費2兆円 世界の環境企業を誘致 日本からは“ビームダウン型集光太陽熱発電”の技術が ドイツからは“電動コンパクトカー”の技術が シティ内にはガソリン車の乗り入れは禁止
ドイツのメルケル首相は何度もアブダビへ ドイツの環境経済規模は7兆円
ヨーロッパの約4割を占める グリーンエネルギー市場は50兆円へ(2013)
スルダン・ジャベル(36)UAEエネルギー特使兼マスダールCEO 
米国で科学工学を学び、その後MBAを取得、英国で経済学博士も取得
技術を持たないアブダビはこの街に外国企業を誘致して、自国を環境先進立国へ
マスダール計画を途上国へ売り込む モロッコ ヨーロッパへの電力供給基地 アッシーラで1兆円規模の太陽光発電プロジェクトを始動予定 アブダビが手助け
2009年 アブダビでドラスティックな出来事が
韓国勢(韓国電力、現代建設、サムスン物産、斗山(ドーサン)重工業)がアブダビの18000億円の原子力発電所プロジェクト入札を勝ち取った
今まで優位と言われていた日本勢の敗北 
カタール 人口170万人の小国 LNGで脱石油 GDP成長率18.5(2010)
1人当たりのGDP世界3位 経済絶好調 世界15カ国へLNGを輸出
アティーヤエネルギー工業相“Mr.LNG”は現在新しいプロジェクト始動
ピラミッド以来の大工事 80カ国から75000人の労働者が集結
日本の千代田化工がリーダー、フランスのテクニップ社とのジョイントベンチャー
日本企業はコスト・スピード・安全性 全てが値踏みされ厳しい時代へと危機感を 千代田化工は2010年新入社員を3ヶ月間 カタールのプラント施設へ送り込み 労働者と共に生活をさせる
20106月 チャイナシノペックと提携 中国 グリーンエネルギーへの転換要
カタールは中国を最大の消費国と捉える アジアのエマージング諸国同士が連携する時代
バーレーン 風力発電付 高層ビルを建設 3つの巨大風車でビルの電力を賄う
サウジアラビア アラビア半島の8割を占め ほとんどが砂漠 
アラビア半島からサハラ砂漠→サンベルト地帯 この地域の6時間分の太陽光で世界の電気1年分が賄えるという試算もあり
IRENA(アイリーナ) 世界148カ国が加盟 アブダビは年間20億円の活動費を提供することで 本部設置を勝ち取った 新加盟国トンガへ50億円を融資 トンガは現在石炭等を使用 今後 化石燃料50%削減を目標としている

2011年1月30日日曜日

1月24日~30日「クーリエ・ジャポン2011年3月号」「老人駆除」

今週は英語の勉強が4時間でした。今日、6年ぶりくらいにTOEICのテストは受けました。やっぱ英語力落ちてました・・・でも、これから頑張っていきます。これかの時代英語は必要です。実感したのが昨日。銀座三越の横にあるラーメン屋に入ったら、客はNoboday。私一人だけ。しかし、その直後、7・8人が一気に入ってきた。「この店すごい人気やん!」とその客達の会話を聞いているとなんと中国語。店主に聞くとどうやら最近、アジアの客がすごい多いらしい。店主の人は頑張って「イーアル・・・」と中国語、時折「サンキュー」と英語を話してました。すごい時代になりましたね。

【今週の本】
「老人駆除(前編)」竹本善次著
Introduction
日本には乗り越えなければならないものがある。高齢化という急坂である。この急坂を重い荷物を背負って上がらなければならない。重い荷物とは、財政赤字のことだ。日本は国と地方でGDP1.5倍、774兆円もの長期債務を抱える(05年時点)21世紀初頭の日本が右肩下がりの時代を迎えている。経済も低迷し、人口も05年から減少傾向を示し始めた。言うまでもなく、超高齢社会とは人口に占める65歳以上の高齢者の割合が高まる社会だ。2540万人(05)の高齢者が3460万人(2020)まで増える。

第1章 世代間戦争が始まった
日本は、一見平和だ。ところが目に見えない内戦がすでに始まっている。「世代間戦争」だ。限られた国内の富を奪い合う。高齢者と現役世代の熾烈な争いだ。悪いことに、現在の日本では人口の減少が始まっている。パイが増えないなかで、高齢者の取り分が増えれば、現役世代の取り分は、当然いまよりはるかに少なくなる。ここで世代間戦争の主な要因を確認しておこう。第1に、経済的側面である。経済成長が鈍化し、パイ、付加価値が大きくならない。高齢者への厚い給付は現役世代への重い負担への裏返し。第2は、社会的側面である。経済全体のパイは大きくならないのに、確実に大きくなっているのが、高齢者の数と高齢者の年金・医療・福祉に対するニーズだ。なぜ自分たちのカネが見知らぬ老人たちに浪費されるのか若い世代は当然不満に思う。第3は、政治的側面である。
社会保障の費用が、どんな対象者向けに使われているかを示した統計がある。高齢者向けに1年間で593200億円が使われている。実に70%ものカネが高齢者にばらまかれている(2003)75年の高齢者への給付割合は33%だった。一方、家族や児童向けの費用は31600億円で、3.8%。75年では5.6%だった。
第2章 老人は弱者ではない
21世紀の日本で、私たちの暮らす超高齢社会とはどんな社会なのか。その真実を3つの切り口から見つめてみよう。さらに、超高齢社会について多くの人が誤解している3つの点にも触れてみよう。第1の真実、高齢化率は「早い、高い、バラついている」。日本の高齢化には3つの特徴がある。第1に、速度が極めて速いことである。欧米諸国は50年~100年かけて徐々に高齢社会に移行していった。高齢化社会(高齢化率7)から高齢社会(14)へかかった年数を見ると次の通りだ。フランス(114)、ドイツ(42)、米国(69)、日本はなんと24年である。しかも14%から20%はわずか11年である。日本では80年代から本格的に少子化が進んできたが、これが高齢化を加速させている。分母は小さくなるのに分子が大きくなるからだ。第2の特徴は、ピーク時の高齢者比率が高いことである。日本はほとんど外国に例のない高齢社会を独自に乗り切っていく必要がある。第3の特徴は、高齢化の進行度合いの地域格差が大きいことである。ちなみに全国でもっとも高齢化比率の高い市町村は山口県の東和町で、50.6%である。一方、もっとも低いのは千葉県浦安市で、7.6%である。第2の真実・長くなった老後。高齢者人口には、6574歳の前期高齢者と、75歳以上の後期高齢者の2つあるのだが、前期高齢者人口は2016年をピークに減少する。2003年の全人口に占める後期高齢者の割合は、8.3%だった。2010年には10.8%、2050年には21.5%と予測されている。第3の真実・小さくなる家族。高齢者人口に占める一人暮らし高齢者の割合は、80年には男性4.3%、女性11.2%だった。00年には男性8.0%、女性17.9%と大幅に増えている。第1の誤解・高齢者はみんな貧しい。高齢者の貯蓄はどうなっているのか。世帯主の年齢が65歳以上の世帯の貯蓄状況を、「家計調査(03)」で見てみよう。全世帯平均は1690万円だが、高齢者世帯は2423万円となっている。第2の誤解・高齢者はみんな心身ともに弱い。第3の誤解・高齢者はみんな保護すべき社会的弱者だ。老後生活を支えるのは自らの健康、収入と資産である。高齢者はその両面で大きなバラツキがある。全体の数が増えるので、いろんな人が増えるのは当然である。これまでの政府の高齢者対策の最大の誤りは、高齢者を画一的なものとして扱い、一律の対策をうってきたことだ。元気な人は80歳台、90歳台まで元気だ。このような人たちは大いに社会に参加し、超高齢社会を支える方に回ってもらうことが大切だ。支え方には2通りある。1つはお金を出すことである。もう1つは働くことも含め労力や知恵を出すことである。高齢者はみんな保護すべき社会的弱者ではない。いろんな高齢者がいる。個性豊かな高齢者を一律に扱うのは避けるべきだ。

【ひところ】
先日、日本国債の格下げがあった。この本に書かれていることが現実になるのかな・・・


「クーリエ・ジャポン20113月号~カリフォルニアに終結する新世代マリファナ起業家たち~」
・大麻業界のウォルマート
10月初旬のある日曜日、ダル・マンはカリフォルニアに設立した大麻の水耕栽培用品を専門に扱うメガストア「ウィー・グロウ」でパーティを開いていた。マンは2年前まで、大麻の苗木を見たことがなかったという。しかし、いまでは「大麻業界のウォルマート」を目指して、ウィー・グロウを一大チェーンに成長させようとしている。「どうしたらすべての分野の市場を取り込めるか、考え抜いたんだ」とマンは語る。すでに、カリフォルニア州、オレゴン州、アリゾナ州、コロラド州、イリノイ州で計75のフランチャイズ店契約を結び、今年後半にはIPOを考えている。

・いまが投資のチャンス?
新たな大麻経済が誕生したのは、9611月にカリフォルニア州の住民投票で「提案215号」が承認された瞬間だ。この案は、医師の推薦があれば誰でも大麻を摂取する法的権利を持つというものだった。簡単に処方箋を書く開業医が多いおかげで、いまでは40万人ものカリフォルニア州民が好きなときにハイになれる。大麻産業の猛進は多くのハイテクサービスや副次的なビジネスを生んでいる。たとえば、大麻を購入できる場所の検索や価格の比較ができるiPhoneアプリ、栽培場内の気温や機器の動作を探知して苗木の成長を監視するシステムなどだ。「闇市場的な存在だった大麻産業が表舞台に出るようになったため、あらゆるビジネスの可能性が広がっています」と語るのは、あるベンチャーキャピタルの代表を務めるデイビッド・アバーナシーだ。同社は、大麻関連の投資に対して年間80%という驚くべき利益率を謳っている。また、高い投資リスクに耐えられる投資家にとって、大麻産業のいまの位置づけは大きなチャンスだと語る。「フィリップモリスのような大手が参入する前に、小規模のビジネスが足がかりをつかめる」からだ。

・大麻ビジネスとの出会い
ウィー・グロウの種が蒔かれたのは09年初頭のこと。不動産管理会社のオーナーだったマンのもとを、借りていたオフィスで盗難にあったという借り主が訪れたときのことだった。マンが警察に通報しようとすると、借り主は自分が医療大麻の栽培者で、72本の苗木を育てていたことを打ち明けた。マンは、大麻栽培者の家主という立場に好奇心をそそられた。マンが最初に手掛けたのは、大麻常用者のためのフェイスブックのようなウェブサイトだった。だがうまくいかず、マンは父親から巨大な倉庫を借りて大麻栽培の準備を始めた。

1年後には状況が一変
マンはカリフォルニアのグリーンラッシュ最大の源泉に目を付けているオークランド市は今後、4ヵ所の医療大麻栽培場に工業規模の栽培を認める許可証を交付する予定だ。ウィー・グロウは、新たに設立した栽培部門のグロペックで、その一つを獲得したいと考えている。「20年後か30年後には、大麻業界のバドワイザーになっているかもしれないね」

【ひとこと】
法律や規制が変わると経済が動く。一つの事例ではないでしょうか。

2011年1月24日月曜日

1月17日~23日

今週は英語を10時間勉強しました。
本の要約はできていません。
本の要約を楽しみにしていただいている読者の方々、大変申し訳ありません。

2011年1月16日日曜日

1月10日~16日「大恐慌以後の世界」「日本経済活力維持の条件」

今週は英語の勉強が5時間でした。
しばらくブログの更新が滞りまして、大変申し訳ありませんでした。

【今週の本】
「大恐慌以後の世界」浜田和幸著

イントロダクション
米投資銀行上位5行全てが消滅もしくは銀行持ち株会社に移行した。 世界最大の保険会社AIGは米政府の管理会社へ。 S&Lの最大手ワシントン・ミューチュアルも破綻した。929日に下院で金融救済法案が否決されニューヨーク株は大暴落した。777ドル安で過去最高の下げ幅を記録した。20019月米同時多発テロ時684ドル安を抜いた。これらはもはや金融危機と呼べる代物でない。80年前の「世界大恐慌」の再来である。192932年の間に米国は株価が80%下落し工業生産は3分の2に落ち込み、失業者は1200万人に達した。銀行倒産も相次ぎ1万行以上が閉鎖され、19332月には全銀行が業務停止。世界では貿易量が70%以上減り、国民所得は40%以上減少した。大恐慌が起こる前まで「自由経済体制」であったが、結局、「ブロック経済」に移行せざるを得なくなったそんな中で台頭してきたのがドイツ・イタリア・日本等のファシズム・軍国主義でこの結果、第2次世界大戦が勃発した。今回も行き着く先は戦争だろうか?エネルギー危機や食糧危機に発展する可能性が・・・

1章世界覇権を失いつつあるアメリカ
◆もはやウォール街は世界金融の中心地ではない
アメリカの主要な金融機関はほぼ国有化されてしまったと言っても過言ではない。世界の金融の中心地はニューヨークからワシントンDCに移ってしまった。
◆オバマ新大統領も過去とつながっている
震源地のアメリカでは犯人探しの開始 26社の経営幹部が調査対象になっている。 不正な会計処理、インサイダー、不動産価値の水増し査定等が容疑である。フレディ・マックとファニー・メイによる不正は根が深い。社長・副社長らが4年間にわたり50 億ドル超の不正会計処理を行っていたことが明らかになっている。その責任を問われて両幹部515000ドルの罰金、275548ドルの損害賠償支払い、会社で12500万ドルの罰金を科された。この有罪判決を受け、フレディ・マック社長のリチャード・サイロン社長は「腐った過去と決別し、わが社は生まれ変わった」と宣言。しかし、3800万ドルもの給与を手にしていた。ファニー・メイもフランクリン・レインズ社長の下で偽装会計処理を繰り返していた レインズ氏と言えばクリントン政権時代の連邦予算局長であったが、ファニー・メイから1500万ドルのボーナスを受け取っていた。
オバマ、マケイン両候補とも両公社と腐れ縁で繋がっているオバマは上院議員のなかで2番目に多額の政治献金を両公社から受け取っている。マケインは選挙責任者が両公社の顧問を勤めており、高額のコンサルタント料を受け取っていた。両公社のみでサブプライムローンの焦げ付き融資額は7800億ドルと言われている。このバブルは住宅価格の上昇と金融派生商品がつくり出したもの。国際決済銀行の推計では2002年に100兆ドルのデリバティブ規模が2008年には750兆ドルまでに膨張するとされている。アメリカの国家予算が3兆ドルで、GDP15兆ドル。全世界の株と国債の発行残高が100兆ドル。全世界の不動産の評価額が75兆ドルと言われる。
◆実体経済と金融資産の差がバブル
ウォール街崩壊のキッカケは20083月の大手投資銀行ベアー・スターンズの破綻である。つい先日まで株価100ドルの銀行がたった2ドルで買収されるまでに転落した。FRBは連載反応を防ぐために300億ドルもの資金を融通。自己資本800億ドルでありながら134000億ドルもの巨額な資金を操っていた。これは全世界のGDP4分の1に匹敵する。マネーゲームのプレーヤー達は様々な金融テクニックを駆使して、なんと516兆ドルまでデリバティブ運用を拡大していた。世界のGDPの総額は約50兆ドルとされるから10倍以上も上回っている。
◆アイスランドの破綻が意味するところ2008年夏までは「世界で一番住みたい国No.1」と言われた国。かつては水産業が頼みのヨーロッパ最貧国であったが、ヨーロッパの金融センターとして急成長。個人所得で世界1の座についたばかり。人口は31万人と少ないが、医療も教育費も無料。読書熱心な国民で1人あたりの本の購入代金もダントツ。携帯電話普及率も働く女性の比率も世界No.1を誇った。男性の平均寿命も81歳。「世界で最も幸せな人々が住む国」と自他共に認めていた。最大のカウプシング銀行は円建てサムライ債を世界に売りまくった。
◆国民の暴動を心配し始めたアメリカ政府
アメリカ国税庁(IRS)の2006年度の統計では、国民の中で最も収入の多い「上から1%」の最富裕層の年収総額は国民全体の総収入の22%を占め、この比率は80年間で最大である
最富裕層の1%が払う税率は、過去18年間で最低となっている。特に金融関係者は市場をカジノ化し、そのツケを払わずに大金を得たまま逃げだしてしまったのだから一般国民が怒るのも無理ない。
◆アメリカ国債の格付けが「AAA」なのはおかしい
2008728日、アメリカ政府は2009会計年度の財政赤字が「過去最大の4820$(約482000億円)になる」と行政管理予算局の報告書ではなく発表した。
この先、金融機関を救済する費用が加われば、財政赤字がいくらになるか想像もつかない。今、アメリカ国債への不信感は世界中に広まっている。例えば、20083月、韓国の国営年金基金(NPS)はアメリカ国債の応札を中止すると発表した。NPS2200$22兆円)を有する世界第5位の年金基金。
◆アメリカ国債を所有するだけで何もしない日本
アメリカ国債を最も大量に約6000億ドル(約60兆円)近く保有しているのが日本である。日本の国家予算(一般会計)の約8割にも達するという巨額の赤字投資である。また、近年急速にアメリカ国債の買い増しを続けてきたのが5000億ドル分を保有する中国だ。どちらかが手放すことになればアメリカ号のエンジンはストップする。沈みゆくアメリカと運命を共にするために日本国はせっせと今日もマネーを差し出している。これに対して、中国はアメリカ国債の買い入れ額を減らし、ユーロ債の買い増しを始めている。
◆アフガン、イラクの失敗でまさに自滅
2001911日、アメリカを襲った同時多発テロ。その後のアメリカの動きは素早かった。アルカイダと連携するタリバンが支配するアフガンを攻撃し~フセイン大統領が支配するイラクに対しても猛攻を重ねた。結果、アフガン、イラクでは新政権が誕生した。アメリカはこれまでに表向き5000億ドル(50兆円)を超える戦費を費やし、ブッシュ大統領は両国の治安回復や民主化が進んでいると豪語してきた。しかし、現実は予想を全く裏切る形で進展し、両国とも泥沼化したままである。イラクでは各地で自爆テロや騒乱状態が続いている。米軍兵士の死者は4000人を超えている。しかも軍事予算は青天井というのが実態でイラクに投入された戦費の総額はすでに3兆ドルを超えると言われる。

2章ドル暴落と通貨の多極化
◆世界通貨であることがドルのパワーの源泉
ソ連に石油を売っても代金としてもらえるのは「ルーブル」である。しかし、国際通貨でないから何も買えない。結局、石油はソ連に売るより、アメリカに売りドルをもらったほうが得である。貿易決済はほとんどドルで行われている。まさにドルはアメリカの富と安定の象徴であった。つまり、アメリカは自国の通貨を印刷しさえすれば、世界各国の貴重な物資やサービスといくらでも交換することができたのである。
◆「プラザ合意」の教訓から学ぶべきこと
ところがドルはすでに基軸通貨としての裏付けを失ってきている。1971年のいわゆる「ニクソン・ショック」(ドル・ショック)によって、金との交換を停止されたからだ。
思い起こせば1985年、「プラザ合意」で円高ドル安を強要された日本は、それまでに貿易で蓄積してきた富を一瞬に3分の1ほど失ってしまった。日本は現在約1兆ドルの外貨を保有している2000年から2008年にかけ、円もドルもユーロに対してほぼ半値近く価値を下げてしまった。もし日本政府がこの間、ユーロにシフトしていれば単純計算で100兆円の利益を確保できていた。
◆ライバル「ユーロ」の出現と対テロ戦争の戦費拡大ユーロの出現によりアメリカドルの一極支配の基盤は徐々に崩れ始めた。急成長を遂げる中国の「人民元」もまた影響力を増すようになった。
◆パッタリと止まった世界の「ドル循環」
フレディ・マックとファニー・メイは国有化されたが、この2社に出資していた株主は出資金をほぼ全て失った。また地銀ではペイオフが発動したため10万ドル以下の預金は保護されたが、大口預金者は預金を失うという事態が起こった。こうした状況が続けば「最後の貸し手」であるFRBは毎日、大量のドルを刷って市場に供給せざるを得なくなる。FRB925日に発表した24日までの1週間の連銀貸し出しは1日平均18775300万ドル。なんと約19兆円でこれは前の週の4倍、普段の週の78倍というケタ外れの額であり、過去最高を記録してしまった。
これまでドルは世界中を巡ってはアメリカに返ってくるという「ドル循環」を繰り返していた。借金大国アメリカが世界一の消費生活を謳歌できたのもこのお陰だった。ドルは国内で使われるのはもとより、アメリカ人の消費の代金として、製品やサービス、資源の輸出国に支払われる。中国や日本は輸出した電気製品やクルマ等の代金としてドルを受け取り、中東の産油国は石油の代金としてドルを受け取る。そのドルをアメリカ市場に再投資する。
◆今やFRBは世界最大の不動産オーナー
世界の外貨準備高は43200億ドルとされ、このうち27200億ドル分が米ドルである。米ドルの比率は1999年には70%を超えていたが、今は60%を切っている、ユーロは18%から27%まで増えた。ところで、ここまでドル建ての金融商品、資産の価値が下がると、FRBは「不良債権」の山を抱えることになる。住宅ローン会社から投資銀行まで抱え込んだFRBは今や世界最大の不動産オーナーになったといっても過言ではない。
◆アメリカを生かすも殺すも日本と中国次第
アメリカ政府の予算はブッシュ政権の8年間で2兆ドル以下から3兆ドル以上にまで増大した。軍事費は8年間で70%も増えている。国防総省の5150億ドルに、それ以外の省庁に埋め込まれている事実上の軍事費を加えれば、なんと1兆ドルを超えており、これは第2次世界大戦後の最大の水準哲多である。当然、世界の全ての国の軍事費の合計よりも多い。実はこの破綻国家を支えているのが日本であり、中国である。2004年、日本は史上最大の規模でドルを買い支えたことがある。イラク戦争の出費でドル安が進む中、日銀は11兆円規模の「円売りドル買い」を継続的に実施した。以前、ブッシュ大統領は胡錦濤首席に「アメリカ国債を売らないでくれ」とひそかに頼んだらしい。中国と日本がアメリカ国債を売りにだせばドルは一気に暴落し、アメリカは国家破産してしまう。
◆人民元によるドル覇権体制への挑戦
中国は1840年のアヘン戦争でイギリスに敗れる前までは世界から一目置かれる大国であった。18世紀の中国は世界のGDP20%以上を独占し、まさにスーパーパワーであった。中国の国家戦略は「2025年には名実ともにアメリカを凌駕する」というもの。自国通貨である人民元が国際的に通用しないのでは話にならない。中国は手始めに香港・マカオ・台湾と共通の通貨流通圏を拡大させている。20024月にはノーベル経済学賞を受賞し「ユーロの父」と呼ばれるロバート・マンデル教授を北京に招き、「人民元はアジアの共通通貨となる条件を備えている」と言わしめたほどである。
◆ドルの基軸性が失われた後の「通貨の多極化」
ドル暴落は秒読み段階に入っている。このドル崩壊の可能性について、注視して対策を練っているのは中国・ユーロ圏・ロシア等であろう。他には南米のベネズエラのチャベス大統領も積極的にアメリカに対抗せる戦略を取っている。以前に中南米諸国の通貨を統合し、ドルに対抗できる統一通貨をつくることを提案したこともある。また石油の決済ではドルを禁止してユーロと他の通貨で行うようにしてしまった。石油と言えば、中東諸国もドル離れが進んでいる。ペルシャ湾岸諸国会議(GCC)はそれぞれの通貨を統合し、いずれドルとのペッグを外そうとしている。オイルマネーは一気にドル離れをすることになる。

3章危機は最悪シナリオで進行する!?
◆バブルの調整をいったい誰がやるのか?
今は人類の英知が試されている時代である。一般的にバブルは実体経済の成長以上に資産価格が膨らむことで発生する。そして、この資産価格の実体経済との乖離は最終的になんらかの調整によって解消される。これとは別に「景気循環」があるが、今回はこの2つが重なってやってきた。古典的な経済学ではこの調整を「神の見えざる手」と称した。アダム・スミスは「市場のことは市場に任せるべきだ」と考えた。しかし金融工学がここまで発達し、欲望にまみれたカジノ経済では「神の手」が働くのを待っているうちに、世界は本当に破壊されてしまうだろう。
1997年の日本の金融危機と似た展開
一般的に金融危機は3つのフェーズで進行する。第1段階は「流動性危機」である。第2段階は「資本の危機」である。第3段階は貸し渋りによって産業資本が倒れるという本格的な「恐慌」である。現在のアメリカは97年の日本に似ている。97113日に三洋証券が会社更正法を申請したのを皮切りに17日には北海道拓殖銀行が業務停止命令を受け、24日には山一証券が自主廃業を申請。たった1ヶ月の間に大手金融機関が次々と破綻した。今のアメリカのリーマン・ブラザーズやAIGのようだ。
◆個人消費の半分を占める住宅市場の崩壊
なぜこの危機が長引くのだろうか?「日本がのろのろと不良債権を処理していたのに比べると、アメリカの対応は迅速ではないか」という声もある。理由は根底に住宅価格の値下がりがあるからだ。アメリカの住宅市場は個人消費の半分も占める巨大市場である。これまでアメリカの経済を支えて来たのが旺盛か個人消費である。アメリカの経済規模は世界のGDP5000兆円の25%弱。このうち個人消費はその7割を占め、そのうち半分が住宅関連消費である。とすると、その額は世界経済の1割近い規模になる。
◆地球規模で広がりつつある食糧不足
今、アメリカの穀物の戦略的備蓄は53日分しかない。過去47年間で最低水準だ。今後マネーが実質的に最も価値のある食糧に向かうのは間違いない。現在、世界の人口は約67億人だが、今世紀末には100億人突破するのは確実とされている。45年ごてにアメリカと同じだけの人口が世界に加わるということである。
◆食糧高騰による危機的時代は10年続く
スイスに本拠を置く、マザー・アース・インベストメンツは米の値上がりを見越して、1億ドルの米投資ファンドを立ち上げた。懸念されるのはアメリカの金融危機と相俟って、発展途上国で社会不安を引き起こすことである、メキシコでは2007年初め、トウモロコシを原料とする主食トルティーヤの値段が高騰し、各地で反政府デモが発生した。20083月、エジプトでパンの値上げが原因で殺人事件が起こった。

4章誰も止めなかったウォール街の暴走
◆レバレッジと金融工学を駆使して必ず利益を出す
ヘッジファンドとはもともと社会学者から経済誌「フォーブス」の記者になったアルフレッド・ジョーンズが書いた「予測の技法」と題する記事がもとになった投資方法である。彼が友人4人と資金を持ち寄り、いかにして増やすかを実践したのが始まりだった。基本戦略は2つ。第1が銀行から追加資金をできるだけ多く調達すること。いわゆるレバレッジである。第2に割高株をショートし、割安株をロングする。そんな発想から1949年に誕生したのが「ジョーンズヘッジファンド」であった。
◆サブプライムローンの証券化のカラクリ
このヘッジファンドの暴走がある意味で2008年のウォール街のメルトダウンを招いたのは間違いない。この暴走を金融技術が助長させた。問題になったCDSはほぼなんの根拠もないのに借金を払えなくなった時のリスクを保証する商品である。こうしたCDSを大量に保有していたのがAIGであった。保有していたCDS140億ドルにものぼった。額の大きさゆえに政府の救済が即座に決まった。さらに言えば、ポールソン財務長官の古巣GSAIGの最大の株主で20%もの株式を保有していた。
◆ついに爆発した金融版の大量破壊兵器
あのウォーレン・バフェットはCDSに関して「これは金融版の大量破壊兵器」だと述べたことがある。理由は貸付債券が本来持っているリスクを隠してしまう商品であることと、相対取引で契約されるため市場が存在しないということだった。このいわば「天才的なデリバティブ」を発明したのはJPモルガンに集められた若きエンジニア達だった。94年、JPMの投資銀行マン達は、貸し倒れのリスクを回避し、債権を銀行のBSから切り離す方法としてCDSを思い付いた。CDSの取引は年々広がり、ウォール街崩壊前にはなんと6200兆円に達していた。これはNYSE(ニューヨーク)の上場企業全ての時価総額の4倍近い規模である。
◆詐欺まがいの金融商品を生み出す借金経済
CDSの世界取引残高は20086月末でなんと約54兆ドルに上るという。これは世界全体のGDP50兆ドルをはるかにしのぐ額である。しかし、このCDSの取引残高とほぼ一致するのが、不思議なことに約53兆ドルというアメリカの累積財政赤字なのである。FRBの前議長グリーンスパン氏の在任10年間で、アメリカの累積財政赤字はなんと4倍に拡大している。20089月の金融危機で姿を消した投資銀行5行の純資産合計は1990年の時点でアメリカのGDPの約10%であったが、07年には30%に拡大している。これがまさしくバブルである。
◆ファンドマネージャーというアメリカン・ドリームウォール街の崩壊が起きて金融当局はようやくヘッジファンドの規制を強化して799の金融銘柄の空売りを禁じた。ヘッジファンドマネージャーの中で2006年に最も大きな収入を得たのはアメリカの「ルネッサンステクノロジーズ」という会社の創業者ジェームズ・シモンズ氏であった。¨ヘッジファンド界のエルビス¨と異名をとるほどだが、これまでメディアで取り上げられてこなかった。「35歳限界説」が普通の業界にあって69歳で現役プレーヤーという点でも異色の人物である。彼のファンドは88年に創設され、これまで平均して38%のリターンを維持しており、06年度はなんと44%という驚異的な運用実績を上げた。その結果、彼が手にした成功報酬は17億ドル。同じ時期の上場企業経営者の最高年収64700ドルと比較しても際だった高収入であれ。
◆ゼロ金利の円がカジノ経済の元手
日本ではバブルが崩壊した後の922月から無担保コールミ翌日物の金利は0.02%に引き下げられた。海外の金融機関やヘッジファンドにとってこれほど強い味方はなかった。なぜなら、日本から無尽蔵に近い形でゼロ金利の資金調達ができたからである。国際決済銀行によれば、その額は370兆ドルに膨れ上がったという。これは世界のGDPの総額50兆ドルをはるかに凌ぐ巨大なマネーである。
◆ジャパンマネーがアメリカのバブルをつくった
このようにアメリカにむかったジャパンマネーが国債以外では不動産投資に振り向けられたため、アメリカの住宅価格は過去8年間も右肩上がりで上昇を続けた。06年その住宅価格がついにピークを迎えた。そこに来たのが、067月の日銀の「ゼロ金利政策解除」の決定だった。こうしてジャパンマネーの流入が細ると、06年後半には住宅ローン会社26社が相次いで破たんするようになった。
◆“帝王”ジョージ・ソロスも状況を見誤る?ソロス氏は「カントリーワイド」の株式を買い集めたのである。その額は3400万ドルである。実はソロス氏のファンドはあのリーマンの株にも手を伸ばしていた。086月末時点で947万株保有していいた。当時の時価換算で約1.8億ドルに相当していた。彼は公的資金の注入でリーマンの経営基盤が強化されると踏んだに違いない。
◆いったい誰がウォール街崩壊の責任を取るのか?
80年代の後半に起こったS&L危機の時には整理信託公社(RTC)が設立されて、不良債権を買い取った。当然のごとく放漫経営をしていた経営者達は責任を追及され、クビを切られた。そのうち、数百人が刑務所に送られている。今回は?結論から言うと、ウォール街の全員が犯人と言うしかない。また、FRBもそうであろう。この20年間、金融政策の中枢にいたのは“神様”とまで称されたアラン・グリーンスパン氏である。彼は87年~06年まで議長を務め、アメリカ経済の黄金時代を支えてきた。彼は住宅バブルが明らかになった054月時点でも「サブプライムローンは公益にかなう」と話して何もしなかった。
◆「グラム・リーチプライリー法」の大失敗
99年に「グラム・リーチプライリー法」が制定された。これは金融機関同士の垣根を取り払う法律で銀行と証券の区別がなくなり、競争に拍車がかかりデリバティブは一気に膨れ上がった。アメリカは33年に「グラス・スティーガル法」を制定して、証券と銀行業務を分離してきた。

5章怒れ、市民!彼らはグルだ!
◆議会公聴会で開き直ったリーマンのCEO
今日の金融危機の引き金になったリーマンのCEOのリチャード・S・ファルド氏は05年が89億円、07年が100億円以上もの報酬を得ている。そのうえ、140億円のフロリダの別荘、1億円単位の絵画コレクション等も保有していたのだ。金融救済法案でアメリカ国民は70兆円の税金負担をすることになった。国民1人あたり約23万円である。ところが救済される側の大企業のCEO達の報酬はフォーブス誌の調べによると07年で平均128000万円である。今回、消滅した投資銀行大手5社のCEOの過去5年間の報酬合計はなんと3000億円にも達していた。リチャード・ファルド氏は公聴会で「私の会社が倒産したのは空売りをしかけたヘッジファンドのせいだ。こんな危機は誰も予想できなかった。だから私は今でも自社株を1000万株保有している。自分こそ最大の被害者だ」と開きなった発言をしたのだ。
◆プライドの高さが現実を受け入れさせなくなった
彼はコロラド大学を卒業後、ニューヨーク大学のビジネススクールの夜間コースでMBAの取得を目指しながら、69年にリーマンで働き始めた。実はリーマンは一度破綻している。リーマンは結局、アメリカンエキスプレスに売却されファルド氏はこの時の内部抗争に買って、分離独立したリーマンのCEOとなった。ライバル社のCEO達からは「ゴリラ」と呼ばれ、敬遠されたこともあったが、CEOオブザイヤーに選ばれたこともある。しかし、最近の彼はワンマンになり、人事も好き放題していた。あきれることに倒産が決まる3日前に有力幹部に20億円ずつ退職金を払う準備をしていた。しかも会社の高級スポーツジムに現れて平然と運動をしていたらしい。
◆なぜゴールドマンサックだけが救われたのか
ホワイトハウスや財務省を思うように操るゴールドマンは今や「ガバメントサックス」と呼ばれている。ポールソン氏は権力を持つようになった。彼は46年生まれの62歳。最初にした仕事が国防総省であった。74年にゴールドマンに入社して99年にCEOに就任。彼が目指す金融再編のシナリオはゴールドマンとシティとJPM3社による支配体制である。そんなシナリオを描く中でポールソン氏が考えていたのは世界1の著名投資家ウォーレン・バフェット氏を味方に引き込むことであった。
◆世界1の大富豪から投資を引き出すことに成功
“オマハの賢人”と呼ばれるウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハザウェイの最高経営者であり、07年には世界1の富豪となり、個人金融資産は62000億円に上った。そんなバフェット氏を口説き、ポールソン氏は古巣のゴールドマンに50億ドルの投資を引き出すことに成功した。
◆「BRICs」投資をあおって莫大な利益を上げる
またポールソン氏はここ10年以上、毎日のように中国に足を運んでいた。コネを最大限に利用してゴールドマンは中国の国営企業の上場を独占してきた。チャイナモバイルに始まり、平安保険、ペトロチャイナ、そして中国銀行等。ポールソン氏の得意技はまず相手の弱みにつけこみ救いの手を差し伸べることである。世界最大の環境保護団体「ナショナル・コンサーバンシー」の役員を妻と長年務めているポールソン氏は中国の直面する「環境汚染」と深刻化する「砂漠化」に対して全面的に協力することを申し出た。そしてゴールドマンは03年に「BRICsと夢を見よう」という投信を販売した。実は自分達の金融商品を売り込むために生み出した造語に他ならない。

6章石油高騰の裏側で
◆サブプライムの損を原油価格操作で取り戻す
現在、世界における原油の需要は日量8700万バレルである。ところが先物取引においてはこれまでその500倍もの原油の売買が繰り返されてきた。03年には130億ドルにすぎなかった原油先物市場の規模は08年のピーク時で2600億ドルに膨れ上がっていた。隠された仕組みがあったのである。それは手付金を6%しか払わなくてもよいという制度である。たとえば、128ドルの先物を買うとき、見せ金は8ドルもいらない。要は16倍ものレバレッジをきかすことができる。このような仕組みがあるためヘッジファンドは天井知らずの価格でも平気で買い注文を出すことができたのである。
◆ロンドン市場の抜け穴を容認してきたブッシュ
国際石油価格というのはもともとアメリカ標準的な油種であるWTIの先物価格で決まる。WTIの先物はNYMEXに上場しているのでここで取り引きされるが普通である。しかしロンドン国際石油取引所(IPE)も代表的な石油取引所であるからここで決まった価格も十分な国際指標になる。ロンドンでの石油取引は「ICE先物」という名で知られ、ICEという企業がアメリカ国内で運営するネット上の先物取引市場でも盛んに買い入れるようになった。NYMEXはアメリカ市場であるため、アメリカ政府の商品先物取引委員会が常時監視の目を光らせて投機的な行為を厳重に取り締まっている。しかしロンドンICEは政府の監視の枠外にある。ゴールドマンは08年春の段階で「原油価格は今後2年以内に200ドルまで上がる」という予測を発表した。同じく05年ロンドンのICE先物が完備された時点で「原油が100ドルになる」というレポートを出していた。“できレース”もここに極まれりである。
◆「反米価格」と「親米価格」の二重価格制
かつて国際石油行かいではエクソン、シェル、BPといったいわゆる「セブンシスターズ」が仕切り役を務めていた。彼らは「メジャーズ」と呼ばれ、世界の石油ビジネスをほぼ独占して巨額の富を築いていた。しかし現在では「セブンシスターズ」といえば、ロシア・イラン・サウジ・中国・マレーシア・ブラジル・ベネズエラという反米的な傾向の7カ国の政府系石油会社を指すようになっている。この新セブンシスターズが持つ石油利権の比率が日増しに高まっており石油高騰のおかげで需要と供給に基づく価格メカニズムなど全く無視できるまで力をつけてしまった。その結果、何が起こってしまったのか?原油価格は二重価格制になってしまったのである。たとえば、埋蔵量で世界1を誇るサウジがイランに対して20ドルという国際価格の5分の1以下の値段で原油を売っているのは公然の秘密である。また中南米においてもベネズエラのチャベス大統領は周辺諸国に安値で売りさばいている。同じく反米国キューバには破格の値で提供している。ロシアもCISの国々に対しては安い石油を提供している。いずれにしてもアメリカに反対する姿勢を見せる国々は「反米価格」というバーゲン値段で手に入る。逆にアメリカ追随路線を歩む国々は投機筋が仕掛けたバカ高い「親米価格」で石油を手にいれなければならないのである。

7章中国経済も崩壊寸前!?
◆すでにオリンピック前から中国経済は減速
中国政府の北京オリンピックにかける意気込みは並々ならぬものであった。この15日間の祭典のために用いた公的資金は43000億円である。この金額は過去5回のオリンピックのために各主催都市が費やした金額の合計をはるかに上回るものであった。1日あたりに換算すれば2900億円。競技ごとにと捉えれば140億円にも上る。
◆国内消費を刺激するため景気刺激策に方向転換
これまでの中国経済にとって輸出産業は生命線のようなものでGDPに占める輸出関連の比率は40%を超えていた。これは主要国の中ではドイツと並び突出して高い。実は日本ですら16.3%である。よく輸出頼みと言われがそれほど日本は高くないのである。しかも主要7カ国の平均は22%であるから日本の外需依存度はむしろ低いのである。ともかく輸出の落ち込みとく危機的状況を打開するには13億人を超える国内市場を活性化するしかないのである。
◆中国バブルの崩壊はウォール街崩壊よりも怖い
中国経済のこのような落ち込みの影響を実は最も受けるのが我が国日本である。中国が日本の最大の貿易相手国である。04年からである。実は中国は現在ンおアメリカ以上の「不良債権大国」である。このことは今でも“公然の秘密”とされてきた。なぜ表面化しないかというと中国の4大商業銀行が実質的に国営だからである。つまり国家の管理下にあるために統計上出てこないのである。また中国は貿易黒字国である世界1の外貨準備によるドル保有国であるからこれは表面上不良債権をファイナンスしているのである。中国の金融システムの不透明さに関してはこれまで何度も指摘されてきた。例えば、065月アメリカの会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)は中国の金融機関が抱える不良債権総額は05年の中国のGDPの約4割にあたる約90兆円だと公表した。このように中国は巨大な「ブラックボックス」である。
◆中国が発足させた国富ファンド「CIC」の狙い
075月に中国は「CIC」を発足させた。シンガポールの「テマセック」がモデルである。目的は海外のコモディティへの投資であり、また中国企業の海外事業の支援であった。だが、中国のファンドマネージャーはまだまだ経験不足である。そこでまずはアメリカのヘッジファンド等に資金を供給することにし、そこで確実に利益を確保し同時にその投資ノウハウを吸収しようという計画であった。最初の大型投資はアメリカの最大手投資ファンドであるブラックストーンへの3000億円であった。次の大型投資は0712月の5000億円であった。出資先はなんとモルガンスタンレーであった。しかし中国自身は世界覇権を狙えるような状態ではなくなっている。労働賃金が上がり海外企業は製造拠点を別の国へと移している。結局、中国は野望を達成できないまま内部からゆるやかに衰退していくのであろうか・・・

8章インド、ロシアと新冷戦
◆金融危機をしたたかにかわそうとするインド
アメリカ最大のメディアグループであるタイムワーナーのアジア向け実績(1四半期)を見ると、なんとインドは日本を抜きアジアNo.1である。北京オリンピックを控えた中国よりインドの方が世界からメディアマネーを呼び込むほどの宣伝力とつけていたのである。インドはIT部門で強い力を発揮している。しかしそれ以外も強い。インドを代表するタタ・グループも元気だ。傘下のタタ自動車は083月英国の老舗自動車ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」を買収。さらには東京証券取引所への上場をも目論んでいる。また081022日には月面探査ロケット「チャンドラヤーン1号」の打ち上げに成功した。
2頭体制下のロシアで進む巨大プロジェクト
BRICs諸国の中で最も野心的なのがロシアである。今ロシアはすごい。例えば世界最大の高層ビルとなる「クリスタルアイランド」である。モスクワに建設される予定のこのビルは高さ450メートル、直径700メートルのスパイラル式のピラミッドという斬新なデザインである。このアイランドンの中には900戸の高級マンション、3000室のホテル、劇場、スポーツクラブ、映画館、美術館、500人の生徒が学ぶ国際スクール、レストラン、ショップ等が入る。2014年に完成予定である。総工費はなんと4000億円。
◆株価急落、取引停止でもなおかつ将来を楽観視
思えば99年ロシアのGDP1880億ドルにすぎなかった。それが07年には11850億ドルにもなった。実に6倍強にも膨れ上がったのである。外貨準備高を見ても00250億ドルがすでに6000億ドル(60兆円)までに急増中。1人あたりに換算すれば世界最大のドル保有国になる。ロシアは今新車の販売台数が毎年5割増と急ピッチで拡大してきている。そのためトヨタ、日産、スズキ、三菱等の日本メーカーも相次いで本格的な工場進出を決めた。現在、モスクワでも日本食レストランは200軒を超える。そんな中、リーマンショックが襲った。世界のどの市場よりも大幅に株が下がり、1週間で50%もの資産が吹き飛んだ。市場は何度も取引停止に追い込まれた。ただし、市場が落ち着きを取り戻すとロシア人自身は自国の将来に対して楽観視していることがわかった。例えばモスクワのあるアナリストは「金融危機はむしろロシアの競争力を高める」と言った。
◆ロシアの大富豪達の宴は終焉を迎えるのか?
ロシアの大富豪のほとんどがソ連崩壊後に台頭したオリガルヒ(新興寡占資本家)と呼ばれる人々である。ちなみにロシア最大のお金持ちは石油王のロマン・アブラモビッチ(40)である。資産は192億ドル。日本の孫正義が58億ドルであるから3倍強の資産家と言えよう。彼と離婚した妻のイリーナも多額の慰謝料を手にしてロシアで11番目にランクインしている。第2の富豪は「アルミ王」と呼ばれるオレグ・V・デリパスカ(39)である。資産は168億ドル。90年代の天然資源会社の民営化に乗じて破格値で資産を獲得してそれを雪だるま式に増やした。
◆ロシア最強のヘッジファンドをつくった男
現在ロシアでは今まで無名に近かった企業が民営化により世界の表舞台で活躍している。その躍進を支えてきたのがロシアのヘッジファンド軍団である。ルネッサンス、レッドスター、フィナム等である。平均リターンは22%で最高収益は77%で最低でも5%である。なかでも、際立った存在感を示しているのがIFSである。ファンドマネージャーアンドレイ・バビロフ氏(46)の手腕はずば抜けている。自らがロシア政府の財務省副大臣を務めていた時に石油会社を売却して6億ドルを手にした。そのなかから2億ドルを投じてIFSを設立した。だが「汚職と利権の巣窟」とも言われるロシア。焼く人事台には暗殺されそうになったこともしばしば。「ロシアで成功すれば、みんながたかってくる。独り占めする人間は命を奪われる」。お金も惜しげなくばら撒く。プライベートに乗り、アメリカの大学に寄付金を届けたりする。ギャンブルには手を出さない。なぜなら「いつでも勝ってしまうから」。大変な自信家である。驚くことに彼は今、政治家でもある。国会議員がロシア最強のヘッジファンドマネージャーである。日本では全く考えられない。
◆危機を糧にして増殖し続ける軍需産業
自国が自滅しようとしているのに、一方で密かにほくそ笑んでいるのがアメリカの軍需産業である。08年におけるアメリカの武器輸出総額は340億ドルに達する勢いで、対前年比で45%増加である。利益を上げている地域のトップ5はアフガニスタン、サウジアラビア、モロッコ、エジプト、そしてイラクである。稼ぎ頭はロッキード・マーチン、ボーイング、ノースロップ・グラマン、ゼネラル・ダイナミックス、そしてレイシオンの各社である。国防省によるとアメリカ製の兵器や軍事システムは現在207の国や地域で使用されている。取引額はなんと274300億円である。表向きは「テロとの戦いや民族紛争を抑えるため」と説明されているが実際には財政赤字で苦しむアメリカを水面下で支えている貴重な輸出産業なのである。一方、ロシアも国家予算の40%を軍需費につぎ込むようになった。ブッシュもプーチンも「戦争ほど美味しいビジネスはない」という共通認識の持ち主である。

9章 アメリカの逆襲
◆大不況に出口はあるのか?底は早くて2年後?
日本のバブルは91年の崩壊から「失われた10年」を経て99年になってようやく不良債権の「整理回収機構」ができた。15年もの間、日本の苦境は続いた。ところが今回のアメリカ発のバブル崩壊は未だに不良資産の総額をつかめず収拾のしようがないと言われるほどである。S&Pはこれから2年後(2010)アメリカの企業の倒産件数が81年以降で最高水準になるとし「底打ちは早くても2年後」という見方を発表している。
◆なぜ福田前首相は突如政権を放り出してしまったのか?
思い出されるのが0891日の福田首相の突然の辞任である。「あなたたちとは違うんです」との名()セリフを残して記者会見場を後にしたのび太総理だが、実はアメリカ政府からしつこく「ドルを融通してくれ」との圧力を受けていたようだ。しかも半端な金額ではない。実に日本が保有する外貨準備高1兆ドル(約100兆円)を求められたという。これはアメリカ政府が投入を決めた7000億ドルを上回る金額である。自分たちの失敗のしりぬぐいを日本に押し付けようとしたアメリカのムシのよすぎる話にのび太総理はキレてしまったのである。アメリカの国庫はすでに空っぽの状態である。輪転機でドル紙幣を刷り増してその価値が下がる一方である。そこでドルをたっぷりと溜めこんでいる中国と日本から資金協力を得ようとした。のび太総理はあの手この手で迫ってくるブッシュの手先に対して「ノー」を言い続けた。「そんなにしつこく言うなら辞める」となったのがことの顛末である。「総理の職を投げ出した」と批判が沸き起こったがいっさい言い訳をしなかったのび太総理は実は意外な侍だったのかもしれない。
2003年に登場した「新ドル札」の意味するところ
実はアメリカは03年に新しい「新20ドル札」を登場させている。導入の理由をアメリカ造幣局は偽造防止のためと説明している。偽造防止のために新20ドル札には3つの仕掛けが施された。1つ目は精巧な透かしの模様。2つ目は光にかざすと縦に走るプラスチックの縦の線が見える。その線の中には「USA TWENTY」という文字と小さな旗が描かれている。3つ目はカラーシフティングの使用。これは見る角度によって色が変化するもの。さて、ここで考えなければいけないのはこの新20ドル札の導入が果たして偽造防止だけのためだったのかということである。実はドルの兌換通貨への復帰のための布石ではないかという説がある。
◆金兌換を復活させると海外のドルは紙くずに
71年当時のニクソン大統領は「今後“金”と“ドル”の交換を停止する」と発表した。これは世界の国々にとっては青天の霹靂であった。なぜならそれまでドルは「ブレトンウッズ体制」により「金」と交換できる貨幣であり「金」によってその価値が保証されていたからである。まさに「ニクソンショック」(ドルショックとも言う)と言われる所以であり、このニクソンショックにより大幅にドルの価値は下落した。それまで世界各国はドルをせっせと溜めこんでいたがドルの下落により資産価値は大幅に低下した。特に大きな損害を被ったアラブの産油国はこの借りと返そうと石油ショックを起こし石油の値段を一気に4倍に吊り上げることでドルで目減りした分の補填をはかったとみられている。つまりアメリカだけが得をしたのがこのニクソンショックでこれによりアメリカは泥沼のベトナム戦争でつみあがった財政赤字を大幅に減らしたのである。以来、金という「担保」がないドルは無制限に大量発行されるようになり、世界は「変動相場制」に移行したのである。
◆アメリカは世界の「金」をコントロールしている
実はアメリカは世界1の「金」の保有国である。これまで人類が手にした「金」は12万トンから15万トンと推定される。量にすると公式の水泳プールで3杯分である。そんな少量の金価格は長らくロンドン市場(通称ロコ・ロンドン)で決められていた。ロンドンには1666年開設の世界最古の「金」の現物取引所があり、N.M.ロスチャイルド&サンズ社の通称「ロスチャイルドの黄金の間」で行われる取引(フィッシングと呼ばれる)が世界の金価格を左右してきた。ここに12回ロスチャイルド、ドイツ銀行、スコシア・モカッタ、香港上海銀行(HSBC)4大貴金属商が集まって金の売買を行ってきた。しかしアメリカのNYにはCOMEXがありここでは「金」の先物が取り引きされている。このCOMEXに「金」が上場されたのは19741231日であり、ニクソンショックの3年後である。もともとアメリカは「金本位制」だった。第1次世界大戦の混乱でアメリカはヨーロッパから大量の「金」を獲得した。その後、第1次大戦の疲弊でイギリス・ポンドは衰退し世界覇権が完全にアメリカに移ると世界の「金」のほとんどがアメリカに移った。アメリカはせっせと「金」の貯蓄に励むようになった。しかし、これは大恐慌でいったんストップした。333月にルーズベルト大統領は金本位制を停止した。こと時は「金」の輸出を停止した上で国民の「金」の個人保有まで禁止した。「金」の事実上国有化である。そうして34年には金準備法が制定され「金」の公定価格が決められ、1オンス(31.1グラム)35ドルで決まった。これは71年のニクソンショックまで続いた。ニクソンショック後、7112月の「スミソニアン合意」により金価格は完全に自由化された。
◆おわりに


「日本経済活力維持の条件」野村證券金融経済研究所著
  
◎適温経済下の日本経済
・「低インフレ+低金利+過熱感なき景気回復」が長期に持続している今日の経済情勢を「適温経済」と称する
2001年1月からの今次景気拡大は20071月でまる5年を経過した
・特徴は企業が感じる景気の高揚感と家計が感じる景況感に大きな隔たりが存在すること

◎加速するグローバル化
・ここ20年間で世界の総貿易額は6倍近くに膨らんでいる
・中国はアジア域内の貿易の「ハブ」であり、製造業の賃金はタイと同じ水準まで上昇
2010年までに中国とASEAN間で関税の撤廃が合意済み
・中国は自国製品の価格競争力をコントロールするために政府が為替レートを動かす
・人民元レートの上昇で安価な労働賃金に裏打ちされた経済成長は続かない

◎増加の100年、減少の100
・日本の人口のピークは2000412月の12784万人で100年で約3倍になった
・しかし、2055年には8993万人と1950年の水準に戻る
・人口急増の20世紀の後に、人口急減の21世紀が訪れる
・人口増加の100年に享受した経済成長はいわば「給与の前借り」である 今後の人口減少の100年で前借りした給与分を穴埋めし対処しなければいけない

◎人口減少時代をにらんだ経済政策
・人口減少下で経済成長を持続させ、生活の質を高くしていくことが重要な課題である
・ポイントはいかに一人当たりの生産性を向上させるかである
・実現させる手段は以下の4つである
   新たな労働参加の促進・・・女性・高齢者・外国人への雇用促進
   グローバル化の利用・・・オセアニアを含めたアジア各国との協調
   イノベーションの促進・・・日本の技術をいかに活用するか
   財政再建路線の堅持

◎貯蓄から投資へ
・今までの日本人はリスクをとる必要がなかった
・今後は高度経済成長期のような賃金上昇率は戻ってこない
・収入源は賃金のみの「一足の草鞋」から投資からもリターンが得られる「二足目の草鞋」を履くことが重要である


アメリカは価格の裏付けのない新通貨の発行でこれまでの借金を帳消しにし、金融大不況を乗り越えようとしている。ここは日本にとって100年に1度あるかないかの「アメリカとの関係をゼロから再構築できる」チャンスと捉えるべきである。今こそ日本がイニシアティブをとってつくりあげる国際的なアメリカ支援策を打ち出すときである。